私の上司の部長。
普段から、大抵、不機嫌そうに部下の話を聞く。
若しくは、カリカリした様子で、余裕がなさそうにしていて、話しかけにくい時がある。
話しかけると、話を十分聞かぬ間に、決めつけてモノを言う。
部下である私は、気が強そうに振舞っているが、これでも気が小さいのだ。
だから、部長に話しかける時は、かなり緊張する。
その様子を気取られているせいか、部長はよく上から目線で、決めつけるように、私にモノを言う。
私が、女性であり、他の部下管理者よりも若いから、そう言った態度をするようにも私は感じる。
その態度には、私を対等に見て、話を聞こう、という姿勢はあまり窺われない。
私が仕上げる仕事についても、ダメ出しをされることはしばしば。
仕事のダメ出しだけならいざ知らず、否定をされるのが、辛いところである。
昨日、部長は、テレワークで自宅で仕事だった。
どうしても判断を仰がないといけないことがあったので、恐る恐る電話する。
部長、機嫌が良い…。
相談事についても、気軽な感じで返事をしてくる。
「ご苦労さん」などとも気前良い言葉が出てくる。
内心、ホッと胸を撫で下ろす。
電話を置いて、次の仕事にかかる。
その部長のことを好きだとか嫌いとかそういう感情は抜きにしても、上司から気持ちの良い言葉をかけられたり、気持ちの良い態度を取られると、その後の自分の仕事のはかどり方が大きく変わってくる。
これは、私の心の中に「承認欲求」、要は認めて欲しい、という気持ちがあり、その気持ちがくすぐられるからなのであろう。
反対に、冷たい態度を取られたり、決めつけ口調でモノを言われたりされると、気持ちがひんやりとする。
その後の仕事に向かう気持ちが萎えることすらもある。
管理者である以上、感情に左右されて仕事をする事は許されない。
しかし、ちょっとした気持ちの揺れ動きが、その後の自分の仕事のパフォーマンスや、自分が下す意思決定に微妙に影響をしている事は否定できない。
自分、この私が、部下たちにそういう思いをさせてはいけない。
部長に一方的な口調でモノを言われたり、不機嫌そうな態度でめんどくさそうに話を聞く態度を見せられる度に、私は悲しくなり気持ちがシュンとなるが、その度に、自分が部下に対してそういう思いはさせまい、という思いは反比例してどんどん強くなっていく。
部下たちの前で、朗らかに笑い、部下たちを笑わせて機嫌よくさせようと声を掛ける、いつもと違った沈んだ顔をしていたり、悩んでいたりしていたら、どーしたの〜?と、言って、話させようとする、おかんみたいなキャラクターにどんどんなっていく私であった。