不登校・ひきこもりの母歴10年目のソルト。
無論、その間、対策は、色々講じてきた。
・学校の担任への相談
・スクールカウンセラーへの相談
・不登校に関する本を読む
・医療機関への相談、受診
・行政の窓口への相談
・不登校支援のフリースクールへの相談
・フリースクールの先生の訪問支援を受ける
・不登校、ひきこもりの専門家の講演会を聴く
・不登校の経験者による経験談を聞く
・通信制高校を駆けずり回り、子供の進学先探しをする
・ひきこもりに関する本を読む
・ひきこもりの親の会に参加
・個人営業しているカウンセラーに相談
・医療機関のカウンセリングを定期的に受ける
…
ざっと、こんな感じ。
まだ進行形のものもある。
他にもいろいろやったかもしれない。
だから、不登校や引きこもりについて、
・当事者の心情も
・家族としての対応方法も
分かっているような気持ちになっている。
この、「分かっているような」というのが
曲者である。
今回は、そんな慢心を改めることができた。
住んでいる清須市の主催する「ひきこもり学習会」
に参加してきた。
漫画家、棚園正一さんの講演を聴く。
(棚園さんのFacebookアカウント↓)
https://www.facebook.com/tanazono
棚園さんは、柔らかい印象の青年、という印象だった。自身の不登校の経験を漫画にし、あちこちで
自身の経験を基に講演活動をされているとのこと。
棚園さんの話で、最も印象的な言葉は、
次の言葉であった。
同じことの繰り返しのような毎日も、
それは螺旋階段のようになっていて、
少しずつ違う景色が見れていた。
我が子が、不登校やひきこもりだと、
親としては焦るのである。
周りの同年代の子が、
学習をどんどん進め、進学をしていく。
スポーツや習い事で、できることが
どんどん増えていく。
アルバイト等で、どんどん社会に慣れてゆく。
就職をして、どんどん自立していく。
結婚をして、さらに家族から自立していく。
…
それに対して、我が子はどうして、
いつまでも同じところに
とどまっているのだろう…。
と、比較してしまうのである。
そして、普段は、気にしないようには
しているものの、
ちっちゃな釘みたいなものが、自分の胸の奥の
ほうに刺さり、じわじわと惨めな気持ちに陥る。
でも、棚園さんによると、そうでは無いのだ。
子供は、家の中でずっと過ごしているとしても、
「その生活の中で得られるものがあり、
その得られた情報が少しずつ少しずつ積み重なって
次への行動のためのステップとなっているのである。
それは、棚園さんが、恵まれた特別な人だからだ、
わけではない、とご本人は言う。
どの子供でも同じなのだそうだ。
この点は、今回の講演で聞くことができた言葉で、
最も自分の考え方を変えることができたものであった。
他にも棚園さんが、不登校の子供の気持ちを
代弁する。
・本人は、想像以上の負い目がある。
・昼夜逆転で、気持ちが落ち着くことがある。
・「明日は〇〇するから」と言って、実際できず、
言動が伴っていない子は、嘘を言うつもりでは
ない。
その時は、本当にそう思ってるから。
・自分のせいで、両親の生活が変わった、
と思うのが耐えられない。仕事をやめるとか…。
親には、生活を崩して欲しくない。
・家族との何気ない雑談が気持ちを楽にしてくれる。
・今のこのままということは300%ない。
・不登校の間も入ってくる情報が、その後生きてくる。
話を聞いていて、ソルトを含む、聞いている側の
親たちの気持ちが落ち着いてくる。
確かに、日々社会生活をしているソルトたちも、
今日1日生きたから、ものすごく進歩発展した、
1週間生きたから、すごく成長した、
1ヵ月生きたから、何か立派なことを達成した、
と、ドラマチックの事は、そうそうない。
不登校や、ひきこもりの子でも同じなのである。
みんな同じなのだ。
入ってくる情報が多いからと言って、全てを吸収して、自分に活かすことができるわけでもない。
その場にとどまってしまうことなんてよくあることだ。
無駄に時間を過ごしてしまい、何の進歩もないことだってよくある。
棚園さんの話を聞いて、改めて、
子供達に対し、
・人として、信頼することが大事
・アサーティブコミュニケーションが大事
・謙虚になろう
と思う。
今回の勉強会に出る前は、
「今更、勉強会なんて」という気持ちがゼロでは
なかった。
しかし、ニュートラルな心のあり方については、
慢心せず、
常に学び続ける姿勢が大切だと、思い直すことが
できた。
こういった機会を無料で与えてくれる清須市は
ありがたいし、また、清須市出身の有名人を
知ることができて、非常に興味深い時間を過ごすことができた。