これまたひきこもりの話。
今度は次男坊。20歳。
勤務先で仕事をしていると、次男坊からLINEが。
「ゴキブリがいた。
最初にトイレで見つけた。
物置に逃げられた。
物の下に入り込んだ。
どかしても見つからない。」
と。
逃げられたので、そのゴキブリを仕留めるべく、ゴキブリをおびき寄せる仕掛けを作った、とのこと。
仕事中の私にその写真を送ってくる。
何でもネットで調べて、ペットボトルやら玉ねぎを使って作ったらしい。
なかなかの出来栄えである。
我が家では、ゴキブリがわいたことはなく、2 -3年に1回程度、外から飛来したのが、部屋の中で見つかる程度である。
だから、私は、今回もその1匹を見つけ、退治すれば、問題解決かと思っていた。
ところが、今回、次男坊の行動は、徹底していた。
帰宅した私に、ゴキブリ用の殺虫剤があるかと、
聞いてくる。
ない、と答えると、翌日、近所のスギ薬局で、
「ゴキブリを退治する薬を買ってくる」と言い出す。
なかなか勇ましい。
近頃、次男坊は元気がなく、以前は言ってくれればやる、と宣っていたスーパーのお使いを頼んでも
なかなか行かない。
以前は喜んでついてきた外食も、「行こう」と誘ってもついてこない。
なんだか腰が重い今日この頃である。
それが、今回は、目覚ましい行動力である。
翌日、ちゃんとゴキブリ用の毒餌を買ってきて、家の中のそこかしこに置く。
ご丁寧にどこに置いたかがわかる写真を撮って、またもや仕事中の私あてLINEで送ってくる。
そしてかのゴキブリも「退治した」との報告が。
次男坊よ、よくやった!
大活躍だ。
他人とのやりとりが苦手、人混みの中は苦痛、やる気が出ないことがある、という次男坊であるが、自分で決めた時には、無気力になることなく活動的になる。
そして、外にも出られるのだ。
さすると、所属する通信制高校に全く行かないのも、
頼んだ買い物をするためにスーパーに行けないのも、本人の中では真の必要性を感じてないからなのだ、と、理解できる。
あまりにやらないことに業を煮やし、
親が良かれと思ってあれこれ手出しするのは、
よくないのだ。
身の回りの世話にあまり手を出さないでおこう、
と、改めて決心する母であった。
しかし、次男坊、なんでこんなにゴキブリに対し、
反応して活動的になるのか…?
そう言えば、この子の父親が、大のゴキブリ嫌いで
あったことを思い出した。