新年度が始まり、管理職である部下課長2人に、「有給休暇を20日取ることを目標に」と、話すソルトちゃん。
わが社では、毎年、社員は20日の有給休暇の権利を得ることができる。
管理職ではない社員は、その有給休暇を完全取得することができるシステムがあるが、管理職は、ほとんどがその20日間の年休を全部取得ができず1年が終わってしまう。
どうやら、中には、一日も有給休暇を取っていないという管理色もいるらしい。
近頃、社内では、10日間の休みを目標にしよう、などと言っている。
20日間の有給休暇の権利があるのに、なぜ20日間を目標としないのか?
ソルトちゃんにとっては、疑問でしかない。
母親として働きながら仕事をしていると、子供たちの学校の行事や、子供たちの急な体調不良などで、お休みが必要になる事はしばしばであった。
また、自身の体調を保つために、自分をケアするための休みも必要となる。
歳を経るごとに、そういった休みが必要となる。
自分をブラッシュアップするための休みもときには必要となる。
また、この先は、親の介護のために休みも必要となるかもしれない。
若い頃から、子供や家庭の事情で、年間20日間の休みは使い切ってしまっていた。
だから、ソルトちゃんに取って、休みというのは、どうしても必要なのである。
休まないと、公私とも生活がバランスよく両立できないのである。
今年度、うちの担当に新しく来た1人の課長が、今日、ソルトちゃんのところに困ったようにやってきた。
20日の有給休暇を取るように…との事ですが、20日休むと、「あの部署は暇だから」と言われるかもしれません。
要するに、20日の有給休暇を取ることをためらっているのである。
休むことを必要としていないのか?この課長は。
と思ってしまった。
別に仕事をサボるわけでもないし、休むなら休む前に、懸案の仕事を片付ける段取りをしておけば、良いのである。
でも、その課長は、今までの経験の中で、平日に休むということに罪悪感を覚えているのであろう。
休んではいけない、休むのは悪、自分の事は後回し、仕事優先、そんな考えが刷り込まれているのだと思う。
その先に、どんな将来が待ち受けているのかということを、想像したことないのかもしれない。
いや想像しても、見なかったことにしてしまっているのだろう。
そんな男性社員が多いから、うちの職場は、ちっとも風土が変わらないんだと、半ば苛立ちを覚える。
周囲と調和をとりながら仕事をする事は大事なことである。
しかし、周囲のひがみ、妬み、批判などの目を気にしながら仕事をする、という、この思考習慣を、どうやってやったら変えていくことができるのか…。
手強いなあ…。
と思うと、この先、ちょっと気分が暗くなるソルトちゃんであった。