近頃、専門学校に通わなくなり、担任の先生や友達と没交渉状態になってしまった長男。
担任の先生の勧めもあり、本人を説得。
ようやく重い腰を上げ、以前お世話になっていたメンタルクリニックの予約をし、訪問。
主治医の先生に状況を話す。
先生からは、「生活サイクルを決めること、歩くことは大事、薬による治療じゃなくても良いよ、行動とか食事療法とかで対応をしよう」と提案される。
結局薬の処方は無しで、次月の診察予約をして終わる。
主治医の先生に、「あの、診断名は何なるでしょう?学校の先生にも報告する必要がありますし…。」と、母親の私。
先生、「軽い鬱状態、新型鬱かと」
診察が終わってから、サテンに入り、息子と反省会をすることとした。
歩きながら、「メンタルクリニックに行ってみてどうだった?」と尋ねてみる。
「うーん」と息子。
どうやら本人が望むような手ごたえはなかった模様。
サテンの席に着くなり、「なんでこんなにめんどくさいと思うのか。」と長男。
「ふとした瞬間に、やる気がおきなくなることあり、どうにかしたいんだけど。」
「何とかしたいのだけど、めんどくさく感じるので。これを治さないと、あと1年やっても、ダメかと。これは、気の持ちようなのか…。」と、つぶやく。
私は、驚く。
長男の発言の内容ではなく、彼が自分から自分の心情を吐露したことにびっくりした。
長男は、ほとんど自分の感情を口に出さない。
家でも、黙っていることが多い。
1~2週間に1度、いや、1ヵ月に1度位かもしれない。
本人が学校のこととか、自分の考えていることを、自分から喋るのは。
私は、ちょっとばかし安堵して、嬉しくなる。
長男よ、確かに今の状況は、学校休んでる状態で、就職も決まってないし、やる気がない状態なのかもしれんけど、君は、少しずつ少しずつ、良くなっていると思うよ。
長男は、中学3年生から学校に行くのを嫌がるようになり、当時の担任の先生のとどめの一言で、翌日から1日たりとも学校に行かなくなってしまった。
ぼんやりとうつろな目で、パソコンに向かい、ゲームをする日々になってしまった。
昼も夜も関係なく、お風呂にも入らない、自分の身の回りのことは、全くできない、しない状態がずいぶんと続いた。
話しかけても、パソコンの画面に向かったままで、何も反応しない時もあった。
いろいろな方との出会いがあって縁あって、今の専門学校に入学してから、長男はいろいろなことができるようになってきた。
それを、紙に書き出してみる私。
1 親が起こさなくても、朝自分で起きて、電車に乗って学校へ通うようになった。
(学校に行くのがイヤイヤな時期は、たたき起こしても起きなかったのに。)
2 学校で友達と会話をするようになった。(らしい)
3 風呂に毎日入るようになった。
(最初はシャワーだけであったが、近頃は、ちゃんと湯船にお湯を張って入るようになった。)
4 自宅の食卓でご飯を食べた後、汚れたテーブルを布巾で拭くようになった。
(たまに拭いていない時もあるけれど。)
5 清涼飲料水とか炭酸飲料水を常飲していたのが、ペットボトルの緑茶に変わった。
6 お腹がすいた時は、たまにだが自分のご飯を作るようになった。
(カルボナーラ風パスタとか、ナポリタン風パスタとか野菜の入っていないパスタばっかりだけど。家族の分も作ってくれれば良いのだけれど、それは今のところなし。)
5 家族の洗濯物の片付けを高確率で履行するようになった。
(時折、タンスの引き出しに違う家族の衣類が誤区分されていることもあるが、それでもそれでもやってあれば、私の負担が大いに減る。)
6 ベッドのシーツを自主的に交換するようになった。
(月1回?程度であるが。)
7 自分の部屋を自主的に掃除するようになった。
(これも1ヵ月に1回?もしかしたら2か月に1回かもしれないけれど。)
健康な20歳を超えた子供であれば、成人なんだから、できて当たり前の事ばかりなのだろうが、できていなかった頃のことを思えば、大きな変化だと私は思う。
幸い専門学校で専攻しているプログラミングの勉強は、それなりにできているようなので、ボチボチやれば何とか花開くのではないのかな、と、都合良い期待をしてしまう母であった。