今日長男の通っている専門学校の先生から電話が…。
出ると、先生から申し訳なさそうに、息子と連絡が取れないとの事。
学校では、1ヵ月前から、やる気をなくし、友達とのグループ研究もサボっていて、友達とも没交渉状態らしい。
話を聞いて、私、がっくり。
この長男、中学・高校と不登校だった。
家にずっとこもりきり状態。
無表情のまま、パソコンに向かう毎日。
この先どうなるのかと、母親の私も悩みながら、息子の社会復帰のためにあれこれと奔走し、空回りしたり、そしてまた奔走する、、、ということを、繰り返した。
結局、縁あって、いろいろな方から支援・アドバイスを受け、結果、長男は、一念発起して自分の好きなことができる専門学校に入った。
それが約2年前。
それからは、奇跡的にほぼ毎日休まず学校に通っている。
コロナ禍で、リモート授業になったりとか、休校になったり、という事情が発生して、家にこもることがあっても、学校を嫌がる様子なく、それまでの不登校と引きこもり状態から、長男は大きく変化したように見えた。
今、彼は、就職先を見つけなければいけない時期になってきたが、就職先が見つからず、また、本当にやりたいことも見つけられていない。
先行きに不安を覚え、今の状態になっているのだろうと、想像できる。
「現実から逃げたいという気持ちなのでしょう」と先生にも言われた。
先生からの電話を切った後、私は、長男にLINEで「私に連絡をよこしなさい」と、投げかける。
数時間経ってから、「はい」と言う返事があり、学校のことについては「めんどくさい」、先生とは「話をしたくない」という返事あり。
自分の殻の中に閉じこもっている状況。
今までの不登校、引きこもりの親としての経験から、今の私は、あれこれと厳しく問いただすことも、叱ることもしない。
逆効果になるから。
今まで、それで何度も失敗してきたので。
私までが、「話をしたくない」という存在になってしまうと、もう、解決のための手がかりがなくなってしまう。
なるべく、騒ぎ立てずに放っておく、というのが、対処方法の1つでもある。
要するに、気にしない、ということ。
しかし、こういった事態になると、他人様に迷惑をかけている状況なので、放っておく訳にはいかない。
それに息子の将来に関わる話なので、知らぬ存ぜぬと言うわけにもいかないし。
ジレンマ。
こういう時、私はいつも、自分の心の中に釘みたいなものが刺さった状態になり、どうしても引っかかる。
今まで積み上げたものが、足元から崩れていくような、心もとない気持ちににもなる。
数年間続いた不登校や引きこもりが、劇的に改善し、その後再発しない、などという都合の良い状況を期待している訳ではない。
そんなうまい話は無いと思っている。
それでも、時々、こうやって事態が逆行する状態に陥ると、今まで散々こういった経験をして慣れているとは言えども、私の気持ちは下がってしまう。
長男とどうやって向き合おう、この先どうなるのかと暗い気分で、仕事から自宅に戻る。
帰宅後、先生と再度電話で話をする。
その後、その電話を長男に取り次ごうとするが、彼は私の差し出すスマホを持とうとしない。
先生からの電話越しの投げかけに対し、長男は強情な位、黙っている。
私は、先生に謝って、電話を切る。
仕事で疲れて、長男のもどかしい状況に疲れて、気持ちも落ち着かず、何もする気が起きない状態の私。
今夜は、幸い、高校生の次男が晩御飯のおかずを作ってくれていた。
次男、近頃は、洗濯や台所の片付け、料理などの家事をいそいそとやってくれる。
今日の昼間、自主的にスーパーに出向き、食料の買い出しをし、その後、晩御飯も作ってくれたという次第。
実は、この次男、これもまた不登校の子供である。
それでも、次男のこの気遣いと料理に、私はほっとさせられる。
捨てる神あれば、拾う神ありといったような気分になる。
その晩は、遅くなってしまった晩御飯を味わいつつ、ちょっとだけ救われたような気持ちになれた私であった。
明日になったら、長男から、少しずつ彼の言い分を聞き出せるように向き合おうと思う。