長男は、中学校3年生から不登校になった。
原因はいじめではなく、自分に自信をなくしたからのようである。
何も語らず、何も望まず、無気力・無表情で、家の中で、外に出ず、ただただゲームに没頭する、と、いう日々が続いた。
気力をふるいたたせ、決心をして通信制高校には入ったものの、高校も彼の居場所にはならなかった。
高校3年生の最後には、完全に不登校となり、それでも何とか単位だけは習得し、卒業はできた。
その後、進路が定まらず、引きこもりを1年続けた後、いろんな人の応援とアドバイスで、また気力を奮い立たせ、決心をして、専門学校に入った、という経歴である。
専門学校に入ってからは、好きなゲームを学んでいるということもあり、それまでとは違う人になったように、毎日休むことなく登校するようになった。
1人で電車に乗って、学校まで行って帰ってくる。
1人で、コンビニエンスストアに入り、好きなものを買ってくるようにもなった。
不登校が始まった時、風呂にも入らず、歯磨きもしなかったが、今は、毎日、自主的に風呂へ入り、歯も磨くようになった。
不登校から引きこもり時代は、家族以外の他人とは没交渉状態であったが、専門学校に入ってからは、先生や友達とそれなりに会話してやりとりをしている模様。
積極的・能動的ではないけれど、社会生活をそれなりに送れるようになった。
人はやりがいを見つけると、変わるもんなんだなぁと、密かに感動したものである。
しかし、就職活動ともなるとかなりハードルが高いようで、そこについては、奇跡は起きなかった。
今年の3月位から学校からのレクチャーを受けつつ、企業へのアプローチをしてみたようだが、あまり進まず、気も乗らないようで、活動をあまりせず。
当然、就職は決まらず。
今日、学校の先生と相談の上、留年することに決め、「留年について親の了承を得るように」とアドバイスを受けたらしい。
本人に、「就職活動を諦めるではなく、自分のことをプレゼンする練習や、企業の人とのコミュニケーションを取る練習をするためにも、継続してどこかから内定をもらうように」と、提案する。
他人に自分のことをわかってもらう、とか、自分の気持ちをうまく表現することが苦手な息子。
それを克服しなければ、就職を1年後にしたところで問題は解決しない。
その点について、怒らず、極力穏やかに諭すと、涙をポロポロ流して黙り込む。
図星なのだろう。
21歳にもなって…
しかし、目の前で涙を流す息子を見ていて、思い出したよ。
私も母親から、あれやこれやと責められると、自分の気持ちをうまく表現できず、メソメソしていたわ。
今になって、自分の気持ちを言葉で表すことがある程度できるようになったと思えるようになったが、20代、30代、いや40代になっても、自分で自分を弁護することができず、シクシク、モヤモヤ、そしてイライラしていた。
やりようのない無力さを感じていた。
そんな自分を棚に上げ、息子を責めるわけにもいかない。
子供は本当に親に似る。
長い目で見守るしかないのかなと、来年のために必要な学費の確認をする母である。