女性中間管理職ソルトの「へーそうなんだ~」日記

中間管理職、主婦業そして母親業やってます。自由に生き、自立した女性を目指し、好奇心の赴くままに生きています。また、またそんなお仲間を増やしたい。フォローよろしくお願いします。

書評:「ビジョナリーカンパニー③衰退の五段階」おごれる者は久しからずと心得る

「毎日1ミリ前進!」を目指す女性中間管理職ソルトちゃんです。

 

ビジョナリーカンパニー③衰退の5段階

(ジム・コリンズ著)

を読みました。

ビジョナリー・カンパニー③

f:id:saltchan:20220801211107j:image


【コンパクトな感想】

おごれる者は久しからず。

これは、古今東西、個人であろうと法人(企業)であろうと統一した原則だと思いました。

そして、何かを成功させる時に魔法なんかはない。


ビジョナリーカンパニーという言葉は、時折聞いたことがあり、気にはなっていました。

しかし関連する本を手に取って読むという事までは、したことがありませんでした。

ビジョナリーとは、先見の明がある人、事業の将来の展望を見通した人、という意味です。

ビジョナリーカンパニーとは、先を見据えた経営ができる優良企業という意味です。


この本は、偉大なる企業が、どうやって衰退して行くのか、実際の企業を分析して、まとめたものです。


今回、Kindle本で手に入れ、耳読書でゆるゆると聴き始めましたが、翻訳本にありがちな、分かりにくさから、読み上げ機能を使って耳で聞くだけでは、内容を理解できませんでした。


各会社が没落に至るまでの個々のエピソードは、頭に入ってくるものの、一体、それでもってこの本が何が言いたいのか、という本筋をなかなか理解できません。

結局、要点をメモしながら、読み進めることにより、ある程度のことは理解できました。

図表や注釈、引用などがあるため、読み上げて聞くには、不向きな本だと気づきました。


この本の興味深いところは、本には、60とありましたが、多くの企業に対し、財務状況、経営者の資質などを含めた膨大な調査と、そこでわかった様々な要素を統計学分析を丹念に行った事です。


この本の後半には、分析の仕方が非常に細かく丁寧に書かれています。

学術論文的な感じです。

これは、根気や情熱がないとできない作業です。


読んで思ったのは、「あれ?これって、人が何かやろうとしたときにしくじるパターンと一緒じゃないの!」と思いました。


まったくもって、ダイエットとか、人の信頼を勝ち取るとか、健康的な体になる、とか、資格試験の勉強するとか、etc…これらと、おんなじ。


この五段階のような心理状態、物の片付け方をしていると、目標は成就しない。


この本の最初の方には、規律ある経営慣行を厳守する、と、ありました。

その原則を行わないと、失敗に終わる。


最初読み始めた時は、難しい事を、つらつら書いてある本だなぁ、とっつきにくいなぁ、と、思いました。


しかし、結局のところ、やはり原則は原則であり、成功の秘訣は、これら原則を、着々と実行するかしないかだけ。

ちゃんと、実行すれば、個人であっても企業であっても、基礎体力がついて、生き残っていくことができるんだなぁと思った次第です。

原則が、腹に落ちたら、自分がすることを決めて、サボることなく地道にやっていく。

成功するための魔法なんかはない。

 


以下、その五段階についての説明のキーワードを、書き抜きました。


①第一段階…傲慢になり、己の成功を当然と見る。

過大評価する。

②第二段階…事業をあっちこっちと拡張しすぎる。

個人の私見に基づく人事を行い、人材を適材適所に配置しない。

③第三段階…会社の中で見えてくる様々な事象を、都合の良い解釈で終わらせる。

データに基づかない意思決定をする。

財務諸表とか経営陣の物事の捉え方とか行動のあり方とか。何か悪いことが起きたら犯人探しをする、外部要因のせいにする。

社内政治に注意を集中する。

④第四段階…会社のピンチを一発逆転にすがる。

データの検証とか事象を丹念に見ず、規律とか長期的な視点に基づく考え方をせず、短絡的に結果が出ることを期待する。

⑤第五段階…財務力の低下とか、経営陣のヤル気が下がるとか、投げ出してしまうとかいうような状態になる。

そして、凡庸な会社となり下がり、次第に消滅する。


衰退の第一段階は、傲慢になる、とありました。

結局のところは、謙虚さは、人間だろうと企業だろうと一緒なんですね…。


平家物語で言っている事と同じ。

古今東西の成功の原則は、共通しているんだなぁと思った次第です。