「毎日1ミリ前進!」を目指す女性中間管理職ソルトちゃんです。
伊吹山は、標高1,377メートル。
と言っても、車でドライブウェイを登り、9合目相当の標高1260メートルあたりの駐車場から、足で登りました。
約100メートルの標高を、約50分程度かけて登るだけ。
比較的簡単。
インスタントな登山でした。
それでも、結構楽しくて、得られるものが多かったです。
駐車場から頂上までの登りのコースは、2種類あります。
西登山道と、中央登山道。
それとは別に下り専用の登山道が1種類あります。
東登山道。
今回は、西登山道を利用して、登りました。
登山道は、地面から出た石が、ゴツゴツしていて、やや、足場が悪いです。
歩きやすくするために、石を撒いてあるのですが、それでも、ところどころ大きな石が飛び出ています。
油断していると、石につまづいたり、足の裏や足首に負担がかかりそうです。
幸い、トレッキングシューズを履いていったので、重宝しました。
道々、ピンク、黄色、紫などの色をした素朴な感じのお花がアチらコチらに咲いていました。
伊吹山のことは、何にも知らずに登りました。
単に登山を体験してみたかっただけで、伊吹山への思い入れは特にありませんでした。
しかし、山頂では、ボランティアの山岳ガイドさんが、くつろいでいる登山者に向かって、辻説法ならぬ辻説明をしてくれました。
聞いていると、へ〜、なるほど!と、思うことがいくつかありました。
⛰伊吹山は、日本列島の中で日本海と太平洋との距離が近いところに位置している。
⛰この2つの海が100キロ程度しか離れていないところの中央にそびえている。
⛰だから、風の通り道となっていて、強風が吹く。
山頂の風の強さは、日本の山では、富士山、蔵王の次が、伊吹山。
⛰海からの水蒸気を含んだ風が吹くので、ガスがよく発生する。
例えば、7月1ヵ月のうち28日間は、ガスっている。
だから、山頂が曇っていると思ってがっかりする人が多いけれど、これが当たり前と思ってください(笑)とのこと。
⛰日本の山の中で、最も積雪が多い。
山の上の方で、6メートル位の雪が降る。
⛰山道の石は、石灰岩。この石灰岩の中に化石が混じっているものもある。
(こういうのに、化石がまじっているそうな)
⛰頂上にある階段上の石畳は、降った水を集めて、水不足を補うためのものであり、この石畳も石灰岩で作ってある。
(これのこと↓)
聞かないとわからないことばっかりで、いちいち、へーなるほどと感心することばかりでした。
「少しのことにも先達はあらまほしきことなり」と吉田兼好も言っています。
本当にこういったところでは、よく知っている人の解説はありがたいものです。
ボランティアの方には、感謝です。
このボランティアは、伊吹山もりびとの会、という名の団体だそうです。
貴重な高山植物を守り、みんなに山を大事に登ってもらうためにも、こういった方たちの案内が重要なんだろうなと思った次第です。
下山の際は、東側の登山道を下ってきました。
面白いことに、行に使った西側の登山道と帰りに使った東側の登山道とでは、道の様子も、植生が全く違います。
西側は、カラッとした感じで、道も良く乾いている。
東側は、湿気が多く、ところどころぬかるんでいて、岩や木に苔もたくさん生えている。
山の自然の面白さを感じました。
以上の他に、今回の登山で気づいたことです。
山の頂上では、水が貴重品である。
当たり前ですが、水道管は走っていません。
だから、水は下から運んでくる、もしくは、雨水を使っています。
普段、当たり前にあるものが、山にはない。
不自由な中で、限りあるものを大事に使うという経験が、新鮮に思えました。
山頂で食べるトマトやカレーは、格別。
お昼ご飯は、山頂にいくつかある山小屋の一つで、カレーライスをいただきました。
カレーライスには冷やしトマト付き、と書かれていました。
まさか山上で、トマトが丸ごと一個食べられるとは思わず、思わず注文してしまいました。
意外と高齢の登山者が多い。
60代、いや70代近い団体さんを、いくつか見かけました。
皆さん、おぼつかない足取りで、ゆっくりゆっくり。
それでも、ウエアもリュックも靴もシッカリ。イケてる。
装備は万全。
同好会みたいなお仲間なのでしょうか。
一生懸命登っておられる。
そして、皆さん、自分達のペースで楽しそうにしていました。
ドライブウェイから山頂にかけての道の脇で、望遠鏡? 望遠カメラを構えている人が多い。
山並み、空を見ながら、待っている人たちの集団を、あちらこちらで、かなりの数、見かけました。
30人、いや、40人、もっといたかもしれません。
不思議な光景です。
どうやらイヌワシの飛んでくる姿を捉えようとして待っているようです。
いつ飛んでくるか分からないような鳥を、立派な装備を揃えて、熱い日差しの中でずっと待つ。
普段忙しくて、時間のない生活を送っているソルトちゃんにとっては、信じられないような趣味の世界です。
こういったことに、喜びを感じて、取り組んでいる人がいる、これもまた、新鮮な感じがしました。
山には、色々な人を惹きつける魅力があるようです。