「毎日1ミリ前進!」を目指す女性中間管理職ソルトちゃんです。
ドラッカーの本を初めて読みました。
ドラッカーは、マネジメントの専門家として有名です。
「一度に取って読んでみたい」と思ったものの、なかなか手が出なかった本です。
読んだ感想を一言で言うと「耳が痛い」です。
自分が、
・仕事についてどこまで突き詰めて考えているのか、
・浅い考えや、長年の勘に基づいて仕事をしてはいないか、
ということを問われていると思いました。
また、マネジメントなるものをキチンと理解して実践することにより、より短時間で成果が上がる仕事ができる可能性が自分にはある、という希望を持つこともできました。
仕事と家事の両立に悩む勤め人こそ、このような本を読んで、成果を上げるマネジメント、働き方を、とことん研究するべきではないかと思いました。
ソルトちゃんは女性であり、家庭と育児と仕事を両立させながら、20年以上仕事をやってきました。
会社に拘束される時間の長さは、周りの男性社員と比較すると、ずいぶん少ないと思います。
今までの仕事人生で、会社に捧げる時間の長短が、会社への貢献度・成果を左右する、と判断される場面が、少なからずありました。
周囲の男性社員に比べると、長時間勤務ができない自分に負い目を感じて仕事をしてきました。
また、「本当に、これは業務を遂行するために必要なことなのか?」と、疑問に思いながら、長時間勤務をすることもありました。
現在は、「自らが会社に貢献できる働き方とは、一体何なのか?」
「重要なのは、かける時間の長さだけではないはず」ということを、常に考えながら仕事をしています。
この本を読んで、成果の出るマネジメントなるものをきちんと理解したいと、思いました。
この本に書かれていることは、以下のとおりです。
・組織が「目指すべきところ」「事業の定義が何か」を明確にすることが重要。
・組織に属する知的労働者一人一人に、目指すところを明確にさせ、自己評価させる。
・マネジメントは、勘とか、力で行うものではない。
この本の内容は、以下の5つのパートに分かれています。
1マネジメントなるものの状況の変化
2企業にとっての成果とは
3公的機関が成果とすべきもの
4生産的な仕事、人に成果を上げさせるということ
5組織にとっての社会的責任
ソルトちゃんの会社は、この本のパート3、公的機関に近い性質を持っています。
公的機関的組織であるため、成果を上げるためのマネジメントについて、真剣に議論されることはありません。
マネジメントという言葉は横行していますが。
前例踏襲、上司の評価を気にして仕事をする、今やっていることに固執し続ける、など・・・。
以下、ソルトちゃんが、この本の中で、自分が参考にすべきと思ったところを取り上げ、そして、自分は何を重点に実践すべきか考えたことについて説明してみます。
◯「組織がマネジメント不能となり、計画が実行にうつされない。
最悪の場合、計画の各部分が、それぞれ勝手な時に、勝手なスピードで、勝手な目的と、目標のもとに遂行される。
あるいは、ボスに気にいられることの方が成果を上げるよりも重要になる。」
→自社の組織にあるあるです。
マネジメントする側に余裕がなく、目指すことを確認せず、メンバーをしっかり観察できていないと、メンバーそれぞれが、自分の目の前の作業に没頭し始めます。
結果、時間はかかるし、努力はしているけれど、思わぬ結果となってしまいます。
メンバーの仕事を観察して分類し、作業をキチンと洗い出すことが必要です。
◯「マネジメントは、何を行うかによって提供されない。
いかに行うかによっても定義されない。
何に貢献するかによって定義される。」
→今やっていることは、どんな価値を生み出しているのか、その価値は会社全体に貢献しているのか、そして会社は世の中にどんな貢献をしているのか、ということを明らかにする必要があります。
これを、自分の部下であるメンバー全員と共有する必要があります。
とても大きな話ではありますが、全体を理解してから、細部に取り組むことにより、得られる効果は変わってきます。
◯「マネジメントの5つの条件は次の5つ
1目的を設定
2組織する
3チームを作る
4評価する
5自らを含めて人材を育成」
→5つとも、ソルトちゃんは、ある程度理解し、意識をしているつもりです。
しかし、自分自身に足りないところは、
4の評価すること、
5の人材育成すること、
かな、と思います。
◯「評価の尺度の意味と成果を部下、上司同僚に知らせる」
→ここについては、ソルトちゃん、曖昧になっているところがあります。
何が評価されるべきで、成果を出すためにすべきことは、なんなのかを、常に、明確に、示し続ける必要があると感じました。
よい働きをしてくれた社員には、今以上にキチンと感謝をし、良い評価をする。
そうでない社員には、はっきりと、人格を傷つけぬよう、求めているところと違うことをこまめに伝える。
そしてその評価は、ぶれないようにする。
これを部下だけでなく、上司や同僚とやりとりをする中でも、はっきりさせるように互いに意識する。
→人材育成に成果を出すこと。
ソルトちゃん、自身の育成については非常に熱心です。
しかし、部下たちは、ソルトちゃんのように熱心に自己啓発はしていないようです。
仕事で必要なスキルの育成について、工夫をすることに、もう少し時間を割く必要があるのかな、と思います。
ただし、他人は変えることはできません。
もともと、本人が仕事に対し望むところも違うでしょう。
そういった中で、組織が求める成果と社員の望む道が、なるべくシンクロするような働きかけをして、自己成長をしてもらうようにしたいです。
これは、根気よく行う必要があります。
どう育成できれば、最終的に自分として満足なのか。
一度、部下社員別の目標設定をしてみたい、と、思いました。
これは、長い目で見たら、非常にワクワクする仕事であります。
◯「公的機関においては、成果ではなく、善であることを求められる。」
「しかし、成果を求めるために、努力を倍加する、成果が上がらなくても、成果が上がっている時と同じように行動をする、そして、イノベーションや新しい事業を、自らのミッション、存在、価値、信念に対する攻撃として受け取る。」
→善であることを求められる。
ソルトちゃんの会社もそんなところがあります。
会社の使命が、あまねく公平にサービスを提供する、というものですから。
これはこれで、業務の性質上、仕方のないことなのかもしれません。
しかし、新しいものや、変革することに、抵抗をしないような意識を、一社員としては持ち続けたいし、部下社員たちにも意識付けをしていきたいと思います。
◯「公的機関が、成功するためには、起業家精神を示さねばならない。
イノベーションを起こすための4つの条件を説明している。
1つ目は、明確なミッションを持つ。
2つ目は、目標は実現可能なものとする。
3つ目は、間違いを認める、達成できない目標は変更する。いつまでも目標達成できなければ、目標そのものが間違っていたか、目標の定義の仕方が間違っている可能性があることを認める。達成できないからといって更に努力する理由にしてはいけない。
4つ目は、変化を脅威ではなく、機会と見る。」
→これについては、自分の担当内に共有していきたい心得だと思いました。
一度、ドラッカーの言葉だよ、どう思う?と言って、メンバーに示してみたいと思います。
あと、興味深いと思ったことは、この本の「肉体労働の生産性」の章で紹介されているフレデリック・ウィンスロー テイラーの業績です。
仕事を動作に分解する。
そしてそのそれぞれの動作に要する時間を記録する。
次に無駄な作業を探す。
…
いわゆる生産性向上の基本について提唱した人物です。
テイラーが、経営学の始祖だということを、初めて知りました。
ちなみに、テイラーの研究についてまとめたページがありましたので、紹介します。
ソルトちゃんも、自分の担当内の各社員が行っている業務を丹念に分析してみたら、もっともっと生産性の高い仕事ができる余地があるのでは、と思いました。
テイラーは、科学、という言葉を使っていますが、理知的、数値的に仕事を分析する能力が必要だなと思いました。
こういった本を読むと、まだまだ仕事で考えるべきこと、やるべきことが、たくさんあるなぁと思います。
普段やっている事は、単なる作業でしかないと反省する次第です。
意識が盛り上がったところで、この本の下巻も、アマゾンでポチしたソルトちゃんでした。