部下との中間対話、真っ最中。
今日は、係長のS君と対話。
S君、仕事は早いし、器用。
やらなければいけない仕事は、いろんな工夫とやりくりをしてやり遂げる。
また、冗談も通じるので、担当内の雰囲気を和らげてくれるなかなか良いキャラクターである。
しかし、部下の指導という面においては、難がある。
若手の部下へ「作業」を教えはするものの、業務遂行能力を上げるための指導はしていない。
そのため、部下たちは、思考能力や、応用力において、私が期待しているほどあまり成長していない。
私が、S君の若手部下たちに、直接指導することもしばしば。
メールの文章の書き方、外からのお客様の迎え方の基本も知らず、S君、普段、教えてないんかい!?と、思ったこともしばしば。
Sくん本人も、部下が思うように育っていないことについて認めている。
「いかんですね、粘り強く指導しないといけませんね」と答えるものの、具体的な対応策について尋ねると、それはない。
漠然といけないとは感じているものの、対策はとっていないようだ。
結局のところ、自分がやったほうが早いし、ラクなので、彼らには混み入った仕事を教えていないとのこと。
ちなみに、S君自身、将来どんな管理者になってどんなふうに仕事をしたいかという問いに対し、これも具体的な答えがない。
管理者になるためにどんなスキルが必要なの?という問いに対しても、漠然とした答えがあるのみで、特に今、現在何か取り組んでいる様子もない。
管理者になると全部をのことを自分がやると言う訳ではないので、人に任せるという能力も必要なのだよと諭す。
要するに、S君、目の前の仕事はサッサと片付けるものの、先の事を見据えた取り組みを、特にしていないということが、話をしていてよく分かった。
普段の様子からして、うすうすそうではないかと感じていたが、やはりそうだったのか、と確信。
これは、係長S君の上司の管理者としては、困った話である。
残りの下半期も、こういった調子で仕事をされては、プレイングマネージャーの活躍で、係の仕事は何とか回っていくものの、残りのメンバーの成長が期待できないという結果になるからである。
長い目で見て良くない。
今、流行のサスティナブルとは程遠い。
暗澹たる思いで帰途につき一晩寝て考えた。
翌朝になって、ハッと気づく。
上司である私自身が、もう少し彼らに自分が望む方向性や、部下にはこうあって欲しいというイメージについて、もっと積極的に示すべきではなかったのか、と思い直す。
私自身が目の前の仕事にめいっぱいになってしまっていて、将来の方向性について部下たちに話す、ということを怠ってはいなかっただろうか?
部下は、上司のことをよく見ていると言う。
もっと部下に対してやってほしいことを、具体的に粘り強く伝える努力をすべきは、S君だけでなく、私自身もそうなんだろうなと。
部下ができないことを嘆いていても仕方がない。
下半期、私ができること。
私自身が、年度の初めに示したみんなで目指すべき仕事の方向性や理想を、改めて示す。
もっと粘り強く、そして、実現しやすいよう具体的に示していこう。